木材の準備
木材の準備 ■良質の桧材の原木
■木材の準備と自然乾燥
自然乾燥により、材木の中の水分を時間をかけてゆっくりと抜いていきます。
そうすることにより、1本1本育った環境によって異なる「木の性格」が、「ねじれ」や「曲り」となって、次第に現われてきます。
この様に、「ねじれたり」、「曲がったり」した性格の材木は使用せず、素直な材木だけを厳選して「柱」に使用するのです。
生きた木の「性格」を正確に見抜くために、「自然乾燥」はとても大切な工程なのです。
外構工程 ■施主様の夢施主様の夢は、母屋に離れ、門構えの家に住むこと。
母屋を新築されて6年。・・・夢が少しずつ叶っていきます。
■フェンスの撤去とブロック積の基礎工事の様子
フェンスを撤去し、ブロック積の基礎工事に掛かります。
整地をおこない、次はブロック積工事に取り掛かります。
基礎工程 防湿シートを張り、鉄筋を20cm間隔で組んでいます。
生コンクリートを15cmの厚さで打ち込んでいきます。
基礎部分に20cm× 40cmの換気口を取り付けます。
※築後、時間の経過と共に換気口部分にひび割れが出来ることがありますが、強度に問題はありませんのでご安心ください。
基礎が完成しました。
●GLより天端まで 63cm ●基礎幅 15cm ●ベース厚 15cm
墨付~切組工程 ■図板(ずいた)設計図面から板に間取りを書き写したものを「図板」といいます。
大工は、この図板一枚で墨付けから完成まで工事を進めていきます。
■桁、梁の長ホソコミセン打ち仕上げの様子
■柱穴の様子
穴を貫通させて、柱のホソを基礎まで届かせるようにしています。
■手鉋(てかんな)削りの様子
柱やその他の大切な所は、一本一本丁寧に、手鉋で仕上げていきます。
薄くて柔らかい、透きとおったシルクのような鉋くずの山が出来上がります。
土台敷き工程 ■土台敷きの様子
土台に湿気が入らないように、アスファルトルーフィング23kgを敷きます。
接合部分にも防腐剤を塗り、組み合わせていきます。
建前の準備も完了し、明日はいよいよ建前です。
建前工程 ■建前の様子
天候にも恵まれて建前を始めていきます。
柱を辰巳の方位から建てていきます。
桁、梁を組んでいきます。
屋根裏部屋の登り梁を組みます。
屋根じまい ■破風板(はふいた)の加工の様子
破風板は一般的にはボルト締めで収めるのですが、「木には木で」という考えから、セン打ち仕事をさせていただきました。
【基本の三本マユ】
破風板の装飾は面取りが3段入った3本マユが基本です。
ですが、最近では手間のかかる装飾が簡素化されて2本マユが殆どになってきています。手間はかかっても、永く家を美しく飾って欲しいという想いから、基本通り3本かきました。
下の写真は、破風板を重ねて、三角、楕円、三角に見える3本マユ(3段の装飾)がよくご覧いただけると思います。
破風板も取り付けて、屋根じまいの完了です。
外装工程 ■金物に頼らない工法
ヌキ入れクサビ打ち。
長ホソ、コミセン打ち。
筋交のかぎ込み釘打ち止め。
壁面から1m出した庇は、吹き付ける雨から壁を守り強い日差しを和らげてくれます。
内装仕上工程 ■仕上がりの様子
クロスを一切使用しない内装仕上げです。
床は、サクラ15mm厚の無垢材を使用し、壁はツキ板合板、天井は厚12mmの吸音テックス天井板で仕上げました。
また、押入れも厚12mmの杉板無垢材張りで仕上げています。
■階段取り付けの様子
階段の裏側に洗濯機を置くスペースを確保し、上部には棚を設けました。
また、棚の下には木製の手造りハンガーパイプを取り付けました。
■屋根裏部屋の様子
明かりと風が入るように窓を取り付けて、部屋としても収納としてもご使用できます。
高い所でも1.4m以内ですから、建築面積にも加算されません。
外装仕上工程
■犬走りの様子
基礎から80cmの幅を確保しています。
基礎と鉄筋で接合し、年月が経過しても「犬走り」が全体に基礎より下がったり、離れたりしないようにしています。
■仕上がりの様子
施主様の夢は、「母屋」に「離れ」を備えた「門構え」の家に住むこと。
施主様の夢がまたひとつ叶いました。
施主様の夢は、母屋に離れ、門構えの家に住むこと。
離れも完成して、夢の仕上げとなる門の工事に取り掛かります。
駐車場、車庫、門、塀、アプローチと配置を決めていきます。
■基礎工程の様子
配置が決まり、基礎工事に掛かります。
門の土台に丈夫さと美観を考えて自然石を据え付けました。
■アプローチの様子門、塀と基礎ができて全体のバランスを見ながらアプローチ工事に掛かります。
アプローチの幅は介護の事も考えて120cm幅にしました。
車庫 切組工程 ■墨付・切組の様子丸太の準備ができたので、墨付・切組をしていきます。
桧材の差物です。
車庫 建前工程 ■建前の様子
平成21年12月吉日に建前を行いました。
■桁、梁の様子上具が組み上がりました。桁、梁は杉タイコ丸太を使用しています。
棟木、スミ木を取り付けて建前完了です。その後、タル木を取り付けて野地板を張っていきます。
これで屋根じまい完了です。
門・塀 切組工程 ■切組の準備
自然乾燥させ準備していた木材で切組に掛かります。
■墨付と切組の様子
■破風板(はふいた)の様子
■瓦止め破風板の様子
手作業ですべてノミだけで仕上げます。
これで切組は完了です。
門 建前工程 ■建前の様子
平成22年4月吉日に建前を行いました。
■柱建ての様子■破風板取付の様子
タル木、破風板と次々と組み上がっていきます。
ご覧の通り現場で組み上げていくわけですが、事前に工場で仮組を行なっているわけではありません。
頭の中で最終仕上がりまでをすべてイメージし、考え形にして建前で組み上げていきます。
次々と組み上がっていく柱たちが思うがままに美しく収まり、バランスよく仕上がる瞬間が大工にとって最高に幸せを感じる、まさに「至福の時」となります。
先人の残した「材に美あり、工に考あり。」という言葉の意味を噛み締める瞬間です。門に続き塀の建前を行いました。柱を建て、腕木棟木と取り付けていきます。
これで門および塀の建前が完了しました。
仕上工程 ■仕上りの様子
瓦葺き仕上りの様子です。
■造園工事の様子
剪定なども自分で出来る植木でとのご注文で、手のかからない植木でシンプルにまとめました。
3年後には、枝も伸び苔も生えて自然に馴染んだ庭になります。
■門の仕上の様子
施主様の夢は、「母屋」に「離れ」を備えた「門構え」の家に住むこと。
節がいくらあってもいいから、孫の代まで住める家をとのことで、工事を始めて10年。
すべての夢が叶いました。
これで、すべての工事が終了です。 大工を始めて30年目に母屋、40年目に門と、節目に心に残る仕事をさせていただいて誠にありがとうございました。
施主様とご家族の皆様の益々のご繁栄とご多幸を心よりお祈り申し上げます。